GeoLab

研究概要

数理地球科学・地球微生物学 – 岩の中に潜む微生物

Endolithsと呼ばれる岩石内生微生物は,岩表面や岩内部でバイオフィルムをつくり,そこを拠点に岩石内部にある栄養分やエネルギー源を獲得しながら生きています。その際,岩石は微生物による微細な破壊を繰り返し受けることになります。しかしながら,Endolithsの岩内での挙動は未だ明らかにはなっておらず,特に,Endolithsの活動と落石,斜面崩壊,岩盤崩壊などの地盤災害との関連性については全く分かっていません。私達の研究室では,数理モデリング,実験,実地調査の3つの研究手法を用いて,これらの関連性を明らかにすることにチャレンジしています。また,微生物による岩石風化は過去数十億年に渡って続いているものですから,原始地球における微生物学的風化についても検討し,その知見を利用することで,未来の岩盤風化を予測しようとしています。


地盤環境工学 - 岩盤風化メカニズムの解明

地球表層の岩盤は長い年月をかけて風化し,脆化していきます。しかしながら,岩盤風化が,物理学的,化学的,生物学的な作用によって齎されるマルチフィジックスな自然現象であること,岩盤物性や幾何形状は地質学的な時間スケールで変化していること,岩盤に作用する外力が長期に渡って不確定的に作用していること等に起因して,風化メカニズムの詳細については未だ解明されていません。そこで,私たちは,フィールド調査や実験,および計算科学的な手法を使って,特に,岩の物理的・生物学的な風化メカニズムを解明しようとしています。


岩盤力学・地球科学 – 地盤の動力学

地震工学の立場から地盤の動力学的特性や特徴を明らかにしようとしています。具体的な研究対象は多岐に渡りますが,主に琉球列島における地盤液状化挙動の解明を目指しています。


計算科学・計算力学 – シミュレーション

赤土流出問題や斜面崩壊,Endolithsの岩内挙動などをコンピュータ上で高精度に予測するためには,精度の高い計算手法が要求されます。そこで私達の研究室では,有限要素法やMaterial Point Methodなどの数値計算手法を高精度化する研究を進めています。また,これらの計算量は大規模化していくことが必至であるため,他大学との共同研究を通じて,世界最先端のハイパフォーマンス・コンピューティング技術の導入を試みています。